ゲイマッサージ業界の発展は、以下のように大きく4つの時期に分けられます。
1990年代以前:草創期
東京に数店舗存在していただけの時代。代表的な店舗には「ひょうたん島」や「慎吾のスポーツマッサージ」などがありました。当時は、ゲイマッサージという概念そのものがまだ広く知られていませんでした。
2000年代前半:第二期(成長期)
インターネットや個人ホームページの普及により、新規グループ店や個人店が増加。この時期にリフレッシュやスタンダードな施術が普及し始め、業界は大きく成長しました。
2010年代:第三期(ブームの到来)
2010年頃から業界はブームを迎えます。多くのグループ店や個人店がこれまで以上に誕生し、ポストベビーブームjr世代(氷河期世代)の利用増加と開業が業界をさらに活性化させました。
また、この時期には新しい施術ジャンルが次々と誕生しました。例として、
• 睾丸マッサージ
• 全裸密着マッサージ
• 催眠マッサージ
• ケツ開発マッサージ
• 緊縛ストレッチマッサージ
これらのうち、「全裸密着マッサージ」を除くジャンルは、THIRDが業界に初めて提案したものです。
2020年代:個人店とSNS時代
現在の業界はさらなる変化を迎えています。
⑴. HPも店舗も持たない個人店サポート型グループ、オーナーの台頭
SNSを活用した新しいビジネス形態が増加。グループ名はあるものの、Xアカウントのみで公式ホームページを持たないゲイマッサージグループや、SNSアカウントしか持たない一見個人店に見えるが裏にオーナーが存在する店舗が増えています。
⑵. ゲイマッサージとウリセンの境界線の崩壊
前立腺開発や本番行為を取り入れる店舗が増え、両者の区別が曖昧になっています。この変化には、THIRDが開発マッサージ等を提案した影響もあると自覚していますが、それよりも時代の流れが大きな要因とも言えるでしょう。
コロナ禍のオンリーファンズの登場で、売上を補うためにゲイマッサージャーやウリセン、そしてGOGOが競って過激な投稿をしていたことも、ゲイマッサージ業界のうりせん化を加速させたと考えられます。
⑶. 完全個人店の増加
レンタルサロンの普及やSNSの利用拡大、円安物価高騰等の経済的理由により、純粋に個人で営業する施術者も増えました。高度な技術よりも、簡単な性感マッサージやリフレッシュをメインに提供するスタイルが目立ちます。
⑷. ゲイマッサージ店サイトのポータルサイト化、ゲイマッサージ検索サイト運営化
ゲイマッサージがポータルサイトやゲイマッサージ検索サイトに登録したり有料広告を払うスタイルから、自社でポータルサイトやゲイマッサージ検索サイトを運営し、宣伝を効率的に行い他店から掲載費用を徴収する構造変化が活発化しました。また、ポータルサイト運営者が新たにゲイマッサージ検索サイトをつくる動きも活発化しました。
しかし、それによってポータルサイトや検索サイトの多さが選択肢の分散を招き、費用対効果が低下。これにより、ポータルサイトやゲイマッサージ検索サイトの利用価値は薄れつつあります。
また、Z世代はそれらを利用しないため、InstagramやX(旧Twitter)、場合によってはTikTokが新たなゲイマッサージ宣伝、集客の場となっています。
⑸. 脱毛サロンからの流入
ゲイ向け脱毛サロンからゲイマッサージに転向するケースも増えています。
2024年の業界には以下のトレンドが見られます:
• マッサージとウリセンの境界線がさらに消失 ▶︎ そのアンチテーゼとして、リフレッシュをしないゲイ向けZ世代マッサージが増加中
• 少子化と不景気の間(少子化でゲイマッサージャーになる人口の減少があるが、不景気でゲイマッサージをはじめる人が増加)
• 個人店のさらなる増加(競争激化で閉店するお店も増加)
• ゲイマッサージメニューのさらなる過激化(競合他店の開発施術や本番に対抗するため、すでに生本番をメニュー化するお店も)
• ゲイマッサージグループのレンタルサロン業化(YouTubeで技術を学べ、SNSで宣伝できる今、ゲイマッサージグループの主たる役割は施術場所の提供となってきています)
※ しかしもともとレンタルサロンは多いため、競争が激化しています。
また、マーケティング手法も変化しています。
かつてはGoogle検索やポータルサイトが主流でしたが、現在はSNS、そして今後はAI検索の精度が上がり、検索サイトやポータルサイトを必要としない未来も見えてきています。
最後に
以上の内容は、THIRDが掲載店向けに発表する2024年総括レポートの第一部からの抜粋です。
これまで業界を支えてくださったお客様、そして関係者の皆様とともに、私たちは新たな10年を楽しみにしています。